(壱話) 「バカじゃないの! いくらバカでもここまで馬鹿だとは思わなかったわよ!!」 「馬鹿馬鹿うるさいんだよ。俺だって喜んで馬鹿になった訳じゃないんだぜ。」 「好きで馬鹿やってたら…救いようのない馬鹿ね。」 「まぁまぁ2人共そんなに怒ってたら食えるモンも食えなくなるで?」 「「うるさい!!」」 「へーへー そなオレ1人で食べとるで。いーんか? 食料あとわずかしか残ってへんで。」 指さす先にはハム1枚とフランスパンが少々。 「駄目よ! その残りはじゃいけんで決めるんだから。抜け駆けなし いいわね!!」 ギラっとした目で睨まれる。 …まるで蛇みたい…。 そう彼ら2人は思った。 1人目は3人の中で唯一女の海棠久神子。 2人目はさっきまで久神子と喧嘩していた海棠昌紀。 最後3人目は大阪弁の海棠葉平。 長女・久神子が22歳。長男・昌紀が20歳。次男・葉平が16歳。 今まで離ればなれで暮らしていた3人。 親が亡くなったと同時に集まった。 ある事をするために。 そのある事を…今 実行させようとする3人たち。 なにをするんだ! 彼らも…まだ知らされていない事が今始まる。
(弐話) 「…なぁ、ここに集まったのはいいけど何かあるから集まったんだろ?」 趣味の日本刀の手入れをしながら昌紀が久神子に聞いている。 「私もよくは知らされてないのよ。あるお方からこの場所に集まるようにって言われただけ だもの。」 久神子は何か本を読みながら答えた。 そこに葉平が首を覗かせる。 「何読んでるん?」 「あぁ これ?」 読んでいる本を葉平に見せた。 「ここに来る前に本屋に立ち寄ったの。なんかその本をいつの間にか手にしてたのよ。」 「…ふーん。『フォーチュン・クエスト』かぁ。どお 面白い?」 「けっこうハマるわよ。今まで小説とか読んだことなかったんだけどスラスラ読んじゃった し、キャラたちもかわいいの♪」 「…いい年してよく言うよな。」 「何ですって?」 虎のような鋭い目で睨まれる。 「…何でもございません。」 目を見ないようにして後ろを向く。 「…兄貴もそうなんの分かっとるんやからちょっかい出さんほうが身のためやで。」 「分かってるよ。」 その後長い沈黙が流れた。 「そろそろ24時。あの方が来る頃なんだけど。」 「あの方って誰だ?」 「……それは来てからのお楽しみ。」 今までずっと久神子の持ってきた本を真剣に読んでいた葉平が大きな声叫ぶ。 「あー 面白かった!!」 そんな声出さなくてもと思うくらいの声だ。 「でかい声だすなよ葉平。」 「すまん、すまん。」 「どうだった 面白かったでしょ。」 「あぁ 面白いな これ。パステルちゃんめっちゃかわいい!」 昌紀があきれたような声で言う。 「…おまえも年考えろよ。」 「分かってるって。 …んっ!? 」 「どうしたの葉平?」 「いやぁ なんかこの本光った様な気がしたんやけど。」 「そんなことあるわけないだろ。」 そう昌紀が言った瞬間だった。 本が勝手に開き光り出したではないか。 「なんだ これ!?」 そう思ったと同時に周りは眩しい光に包まれた。
(参話) 「うわっ 眩しい!」 目を開けていられないほどの光だ。 「何がどうなったのよぉ!」 「オレにも分からへん!」 光は勢いを増し、辺り一面を覆った。 そして花火のように散っていく。 何やら煙まで出てきている。 「ゲホゲホッ…何この煙。」 3人は煙が出てきている方を目を薄目にして見た。 薄く影が見える。 「…何かいる?」 よぉく見てみる。 久神子と葉平はどこかで見た顔だなと思った。 「…あれもしかして…。」 「…んな アホな。」 自分たちの目をこすってみたが事実がそこにある。 誰もが信じられない出来事がそこにあるのだから。 …ただ昌紀だけは、ぼーぜんを見ているだけだった。
(四話) 「あいたた…いったいわたしたちどうしたの?」 「大丈夫かパステル?」 「うん 大丈夫。でもいったいここはどこ?」 「そんなの知るわけねーだろ。」 いきなりそこに現れた者たちは周りを見てキョロキョロしている。 そんな彼らを見て久神子と葉平は目を点にした。 現実になるとは思わない出来事が目の前にあるのだから。 葉平は我慢できずに大きな声で言ってしまった。 「…パステルちゃんやーーーーーーー!!!!!」 耳が痛くなるほどの声の大きさにみんな驚いた。 「あなたたちはいったい誰ですか?」 彼らは聞いてくる。 「へっ!? うーんとオレらは…。」 「怪しい者ではないわ。クレイ・S・アンダーソンさん。」 久神子は丁重よく話す。 「何で僕の名を!」 「…何でって言っても…だってさっき私はあなたたちの小説を読んでいたんだもの。」 「「えっ!?」」 目の前に現れたみんなは訳分からずだった。 そんな状態の中で1人の男が現れた。 「皆さんお集まりのようですね。」 黒いスーツを着込んだ彼は低い声で彼らを見回した。 「…お客様も無事来られたようで安心しました。」 クレイたちを見てそう言ったのだ。 この言葉に疑問を持った久神子が欠かさず聞いた。 「どういう事です、桐生さん。私には訳が分かりません。何故彼らが現れたのか。」 桐生と呼ばれた男は頷くように話した。 「もちろん、何も話していませんでしたから驚かれたことでしょうな。何故こうなったか お教えしましょう。どうぞあなた方もお座りください。…大丈夫危険はございませんから。」 危険がないか確かめるとクレイたちはそこに座った。 桐生もその場に座り、事の始まりを話し始めた。
(五話) 小説の中の人間が何故ここに? 久神子の頭の中は分からない事だらけになっている。 そんな中にも久神子が桐生と呼んだ男。 この男は誰なのか…。 「さてどちらからお話しましょうか。」 桐生と呼ばれた男はみんなを見回し葉平の視線に気が付いた。 「何か私目の顔に付いてますかな?」 慌てるように葉平は首を振った。 「いいえっ そんな訳やないんです。…あの誰ですか、姉貴は知ってるみたいやけどオレ 知らないんですよ、あんさんのこと。」 「そうでしたな、久神子さん以外の方は知りませんでしたね。これは失礼。私、桐生孔正 と申します。」 「…何故その桐生さんとやらがここに来るんだ?」 いままで黙っていた昌紀が口を開く。 「それは私が話しましょ。」 隣にいた久神子が話始める。 「…元々私達3人が離ればなれに暮らしていたか知ってる?」 「いや知らない。」 「オレもや。」 「…身を守るためよ。私たち家族は代々受け継がれるモノがあってね。…昌紀に葉平も それには気づいているんじゃないの? 普通の人にはないあるモノを。」 「…これの事か?」 すると昌紀の目の前が光りそこから長い剣が現れた。 「念じると出てくる。…普通の人には出来ない事。」 「…そうよ、それがあなたの1つの能力。葉平は?」 「………オレは別にないけど。」 「そんな まさか!? もう出てもおかしくない年齢なのに!」 昌紀は思い出したように話す。 「葉平の異常なまでに大きな声が1つなんじゃないのか?」 「へっ!? オレの声? まぁ そういや急に14歳のころ大きな声出せるようになったし なぁ。」 「…そんな能力ってあるの?」 「いや ありますとも。以前、その能力を持った方がおりましたから。」 桐生が横から答える。 「オレにもあったんやな、その能力ってのが。」 葉平は嬉しそうにしている。 「…まっ その能力を知ってのとおり私たちは普通ではないことに気づいてるわね。私達 はね、特別の血を受け継いでいるの。」 「特別の血?」 「えぇ 災いが訪れるときに使うためのモノ。それを使う人間。…それが私達。生まれる前 から決まっていた、私達の宿命よ。」 動揺を隠せない2人。 いきなりの聞かされる事実。 …宿命……。
(六話) 宿命…生まれる前からきまっていて、避けることのできない運命。 「…宿命か。まっ、それはそれで俺はかまわないが。」 何も不満なく答える昌紀。 それとは逆に葉平は不満ありげな表情をしている。 「兄貴はそれでいいんか? オレは自分じゃなくて他人に決められるなんてまっぴらや。 やりたい事はたくさんあるねん。」 「…葉平、避けられないのよ。それにあなたの人生が決められてるわけじゃないわ。ただ 災いが起きた時、それを元に戻す事。それが私達の決まられた事なのよ。」 葉平の顔はポカンとしている。 理解していないらしい。 「葉平様、簡単に考えればよいのでございます。例にたとえますと、ヒーローアニメの方達 は、悪い者達が現れると戦ってその者たちを倒してしまいますな。それと一緒でございま すよ。この世に災いが起こった時、それを直すのは葉平様達なのでございます。それを 代々やってきたのが海棠家なのですよ。」 久神子たちには、『ヒーローアニメと一緒か?』という疑問があった。 だが葉平には分かったらしい。 …もしかして葉平はヒーローモノが好きなのか? 久神子はそんなことを頭に巡らせた。 そんなことを考えているときでは無いのだが。 「まぁ、そうゆう訳なのよ。それでその海棠家に代々仕えてきたのが桐生さんの家だった わけ。だからこうして何も知らない私達にこれからの事を教えてもらいに来たのよ。」 桐生は一礼した。 見ると年齢は50代くらい。少し白髪の混じった髪はなんとも格好良く見える。 あやしい者ではないと分かると、顔も優しい顔をしているんだと葉平は思った。 「さて、まだ大事な事を話しておりませんな。」 桐生は今まで何も話していないクレイ達の方を見た。 「そうです、桐生さん。何故彼らがココに現れたのか教えて。」 久神子の目は真剣だ。 それに答えるように桐生は話し始めた。
(七話) なぜ本の中の彼らがココに現れたのか。 彼らと何かつながりがあるのだろうか。 「久神子様、お父様達から本当に何も聞いておりませんか?」 「…いいえ、記憶には無いわ。」 「ならば小さい頃にお父様から昔話などを聞いたことなどございませんか。その中にある 人物が出てきているはずですが…。」 久神子はよく考えてみる。 (そういえばお父さん達と一緒に戦った戦友の話を聞いたような…たしか名前は…!?) 名前を思いだし驚いた。 「…たしかお父さん達と一緒に災いを直していった者の名が…デュアン…。」 「 デュアン!?」 話を聞いていたクレイ達が大きな声を出した。 「知ってるんか?」 「知ってるもなにも、彼は伝説の人だ。なぁ、トラップ。」 「あぁ、有名人だぜ。」 「わたしも知ってるもの。知らない人はいないほどだと思う。」 パステルの言葉を聞いて久神子は悟った。 「…そのデュアンも本の中から現れた人物。」 「そうでございます。海棠家の大きな能力の1つです。災いが起きる時、海棠家の者達 の前に異世界から一緒に困難を乗り越える仲間が現れるのです。お父様達のときは、 デュアン、オルバ、アニエスという3人の方が現れた。すべての災いが直されたときに 彼らは本の中へと帰って行ったそうです。…分かっているのはそこまででございます。」 父親達も本の中から現れた者達と出会っていた。 そして自分らの前にも本の中から現れた者達がいる。 「…彼らは私達の助けになる存在なのね。」 「そうでございます。」 と、桐生が言い終わるを同時に口を開く者がいる。 「そちらさんは分かったのかもしんねーけどよ、こっちはさっぱりわかんねーんだよ。」 トラップだ。 すかさずクレイが頭を叩く。 「失礼だろう、そんな言い方は。申し訳ありません、こいつ口が悪くて。」 クレイが頭を下げると、久神子は笑った。 「ふふふっ…いいのよ。彼の性格は知ってるから。それにこちらも悪かったわ。一番 混乱してるのは、あなた達の方なのに。」 「そうでございました。では、簡単にご説明いたしましょう。…あなた達からしては… ふむ、そうですな。異世界とでも言いましょうか。あなた方がいた世界とはまったく別の 世界に来てしまったのです。」 不安そうにパステルが聞く。 「まったく別の場所?」 「…はい、そうでございます。」 あっさり答える桐生に久神子が付け加える。 「大丈夫、帰れるわ。」 「本当に?」 「えぇ、でもいつになるか分かんないけど…。」 ちょっと…いやだいぶ不安が隠せないパステル達。 わたしたちどうなってしまったんだろう…パステルの頭の中は混乱状態だった。
(八話) 記憶を失った人間は、こなってしまうのだろうか。 『ここはどこ?』 まさしく今のパステル達はこの状態だ。 「わたしたちエベリンに向かう途中だったんですけど、急に眩しい光りに包まれたんです。 そして目を開けたらココにいました。」 パステルたちはココに来るまでの間を話していた。 「…選ばれた人達か。でも、何故あなた達が選ばれてしまったのかしら?」 久神子はそれが疑問だった。 そこに葉平が久神子の目の前に何か突きだした。 「これがココにあったからとちゃう?」 そうそれは…『フォーチュン・クエスト』の小説。 「そっか! だからかもしれない。私達の身近にあった物。」 本を開き見ていると、トラップが覗き込む。 「…おい! これオレじゃねーか! ここにはクレイもいるぜっ!」 そういうと本を取り上げる。 「あーっ、ほんとだ。」 「るーみぃもいるよぉ。」 「ボクもいるデシ。」 みんなひっぱりながら見ている。 「どうしてオレらがこれに載ってるんだ?」 これには久神子が答えた。 「…今から話すことは本当のこと。落ち着いて聞いてね。……あなた達はその本の中 から現れたの。あなた達が冒険してきたことが小説としてこの世界には出ている。それ を私は読んだから、あなた達のことを知っていたのよ。…嘘じゃないことは分かっていた だけるわよね。それを見たら…。」 みんなのことが書いてある、その小説。 パステル達は否定できなかった。
(九話) 「あまり深く考えすぎてもしょうがないって事ですね。」 話しを聞いたクレイが自分達がココに来てしまったことを整理している。 「でも、オレ達どうすりゃいいんだよ。」 「あっ、それは心配ないわ。私達と一緒に行動していけばいいし。それに生活していくのも 便利だし、世話は私達がみるわ。…私達の事情で巻き込んでしまったわけだし。それぐら いの事はさせて。」 久神子が頭を下げるとクレイがあわてて止める。 「いや、そんな頭なんか下げないでください。えーっと…」 「そういえば紹介してなかったっけ。」 そうすると久神子は昌紀と葉平を引き寄せる。 「こっちの身長高いほうが昌紀。で、こっちが葉平。私は久神子っていうの。」 「えっとボクらは…」 紹介しようとするクレイに久神子は口をはさんだ。 「みんなの名前は知ってるわ。性格とかもね。コレを読んだから。」 本を差し出し見せる。 「…俺は知らないけど。」 本を読んでいない昌紀は答えた。 だが、そんなことはお構いなしで久神子は外へと出た。 「もう家に帰りましょうか。みんなついてきて、案内するから。」 みんなぞろぞろとついていく。 「…おい、俺は無視なのか?」 独り言にされてしまった昌紀はすねていた。 涼しい風が顔をひんやりと冷やしてくれる。 街の明かりが眩しい。 「そういえば、ここは何ていう名前なんですか?」 「……日本の中心都市。『東京』という所よ。」 「トウキョウですか…。」 クレイの顔には不安と期待が出ていた。 (冒険なんだ) 気持ちの中ではそう整理したのだ。 何も知らない世界―それは……未知数
「嚆矢」 (……くみこ……久神子や……) 誰? 私を呼ぶのは? (……わたしはおまえの守護神。) 守護神? そんな者が私にはいるの? (まだおまえが気づいていないだけだ。) 気づく? …じゃ、私の近くにいるの? (あぁ、いつでもな…) 何故? どうして私は気づかないの? (おまえがまだ完全に目覚めていない躯だからだ) 躯? 体じゃなくて? (そうだ。おまえ達の家系は皆、そうだった) 家系……まだ私は未熟なのね。 (…未熟なのではない。力は十分持っている。…ただ、おまえにとってもその弟達にも いえることだが、一つ欠けているのだ) 欠けてる? いったい私には何が欠けてるの? 教えて! (……それは自分で考えるのだ。それが一つの掟だ。…さぁ、もういいだろう。早くわたし と話せるようになるのを……期待しているぞ) えっ!? ちょっとまだ聞きたい事はたくさんあるのよ! ねぇ、ちょっと待ってってば!! バッターン!! 「…いったぁ〜・・・」 久神子はベットの上から落ちていた。 まだ、外は薄暗い。みんなまだ夢の中の時間だ。 おろしている髪を結び、洗面台へと行く。距離は10メートルくらいだ。 ジャャャーーーー・・・・ 寝ぼけている顔に水をおもいっきりかける。季節は夏。水が気持ちいい。 すっかり正気に戻った久神子はさっき夢で見たことを思い出す。 「…夢…にしちゃはっきり覚えすぎてる。……お告げかしら?」 なんてぼやきながら、太陽が出始めた外庭へと出ていった。 ここは、海棠家の家。 パステル達が現れてから一週間がたつ。あれからずっとここにいるのだ。と、いっても 昌紀や葉平は初めてだったのだ自分達の家へ来るのは。いや、初めてというより覚えてい ないのだ。小さい頃に姉弟別々になってこの家には住んでいた者はいなかったのだから。 だからといっても大きな屋敷にはこまめにメイドがきていたのでキレイなまま。 「ふぁぁ〜・・・・おはようございます。」 パステルのまだ起きたばかりの顔。 さっきまで考え込んでいた久神子の顔もやさしい顔になっていく。 「おはよう! パステル。ちょっと起きたばかりなのに悪いんだけどみんなを起こしにいって くれないかしら? 朝食の準備が出きたみたいだから。」 「分かりました! 昌紀さんに葉平さんはどうします?」 「昌紀はもう起きてると思うけど…葉平はまだ夢の中でしょうね。じゃ葉平もお願いね。」 「は〜い!」 知らない人から見ればかわいい姉妹のやりとりに見られるように2人は仲良くなった。 久神子にとっては妹ができたみたいで嬉しかったのだ。 実際、パステルと話しているときこう言われた。 『久神子さんと話してるとなんかお姉さんと話してるみたいで…』 嬉しい! 久神子の心の中は喜びでいっぱいになってしまい、その後、パステルに 久神子は言った。 『私もね、パステルのこと妹みたいでかわいいのよ。だから、「久神子さん」っていうの は無しにしましょ。…お姉さんっていうのもなんかこそばゆいから「久神子」でいいわ!』 その後、2人は昔からの友人・姉妹のように仲良くなっていくのは早かった。
1999年8月06日(木)03時54分19秒〜9月02日(水)19時34分56秒投稿の、みすなさんの小説「−躯−」第1部1〜10話です。「海棠」は、「かいとう」と読むらしいです。「昌紀」は、「まさのり」でいいんでしょうか?