もしも話(2)

(11)・・・もしもデュアン&オルバがコンビニ店員をしたら・・・

  ・・・・・・・・・・デュアン・サークの場合・・・・・・・・・・
「いらっしゃいませー」
 業務的な挨拶を聞き、俺は店に入った。
レジに立っているのは十七、八ぐらいの美形の男。
 けっこうやせている。
友達のKと共に弁当を買いに来た俺達。
 いつものようにまずパン売場による。
その時、店のドアからガラの悪そうな男達が入ってきた。
 店中に流れるいやぁーな雰囲気。
「いらっしゃいませー」
それでも店員の男は仕事を忘れない。
それを見た男は店員に歩み寄った。
「よーよー、ねいちゃんよー」
・・・・・・・・・・・はっ!!?・・・・・・・・・・
 顔を合わせる俺とK。
もしかして・・・・・・女に見られてるのか?
 クスクスと聞こえる笑い声。
「今・・・・・何と?」
店員も聞き返す。
「だからねー・・・うーん、そうだな。その辺の喫茶店でも行かないか?」
声を聞いても気付かないらしい。
「その後はよー、映画でも見に行こうぜ」
「お断りします」
「かってーこと言うなよ、どうせこの後ひまなんだろう?」
 ナンパしてる・・・・男相手に・・・・・。
俺とKは爆発五秒前の笑いを必死にこらえている。
「どうだ、俺と一緒に行かないか?」
そこまで聞いた店員はこういった。
「あのねー、何か勘違いしてるようだから言うけど・・・・ボク、男だよ」
 その後、男が白い石像と化し、店内が笑いの渦に巻き込まれたのは言うまでもない。

  ・・・・・・・・・・オルバ・オクトーバーの場合・・・・・・・・・・
「いらっしゃい」
業務的、しかし何処かめんどくさそーな声を聞き、俺は店に入った。
黒い髪を後ろで一結びしている、長身の男。
今日はMとSと来ている。
別にただ何か食う物が欲しかっただけだから寄っただけだ。
それぞれ、パン、飲料水、アイス売場に散らばる。
「いらっしゃい」
誰かが入ってきたのだろう、その店員が声をあげた。
振り返ると四十代のサラリーマン。
この時間帯に何故!?とは思ったが買い物を続ける。
しかし、その表情にはあきらかに不機嫌な物が感じ取られた。
その男はスポーツ新聞と何かのジュースを買って、レジに向かう。
「あぁ」
めんどくさそうに立ち、品物を受け取る。
その後ろに並ぶ俺達。
「えーっと・・・586円なります」
こんなやつは・・・・・・初めてだ・・・・・。
この店には一年以上世話になっているが、こんな無礼なやつは初めてだと思う。
いや、初めてだ。断言していい。
もちろんそのような表情がサラリーマン男にも感じ取られた。
「最近は景気が悪いからこんな小さい店は客足も遠いだろう?」
おそらく「貴様のようなヤツがいるから」という意味も含まれていたんだろう。
だが男はまともに受け取ったんだろう、こう言い返した。
「あぁー、おたくリストラされたわけだね。どうりでそんな景気とか敏感なわけだ。
おやまぁ、景気と同じで頭が寂しいですね。
どうだ、その年じゃあ就職先も見つからないだろう。俺が店長に口添えしてやろうか?」
それを聞いたサラリーマン男、不機嫌そうに店を出ていった。
「おい、坊主。ぼけーっとしてないで早くこい」
あぁ、俺ね、俺。
いったい何でこんなやつがコンビニなんかに・・・・・。
店長も可愛そうだな。

当の店長、雇用リストを見て、ある男をさし、こういった。
「一体君は何を考えているんだね?あぁ、当日風邪をおしてでも面接を見ておけばよかった・・・・・・。
まぁとにかく、この男はすぐにクビだよ、クビ!!」
 


                         俺=PIECE本人です

(12)・・・もしもオルバがバーテンをやったら・・・

 冬の東京新宿。
雪が降る中、行き交う人は、さまざまな表情を浮かべている。
 笑顔を浮かべるカップル、泣きそうな顔のサラリーマン、そして、何故かイライラした表情の若者達に、興味津々といった感じの外国人。
そのなかでも、ひときわ悲しい表情を浮かべる、二人組の男。
 彼らは、肩を寄せ合いながら、裏通りに入っていった。
そこにある、一つの看板『夢の落とし物』そして、質素な扉。
 彼らは、そこに入っていった。

「いらっしゃい」
 おなじみの言葉で迎えられた二人。
二人とも、コートも脱がず、目深にかぶった帽子を取ろうともせず、カウンターに座った。
「なんに致しましょう?」
 かわって、バーテンの男。
バーテンおなじみの服に身を包み、黒い髪を後ろで縛って、他にはいない客を見る。
「今の俺たちに、必要なものを一つ」
 一人の男がひっそりと呟いた。
彼らを、よく観察した末、男は一つのカクテルを作った。
「これは?」
「そうですね・・・『堕ち行く人生の希望の光』といったところでしょうか?」
「マスター、なかなかやるでんなぁ」
 感心したように、そのカクテルをしげしげと覗く。
下は、重く、暗く、上は、軽く明るい。
 この店特有の技術で編み出したカクテルだ。
「さてさて、お味の方は・・・・・・」
 さきほどから、喋ってばかりのほうの男が、それを飲む。
対して、その相方は、じっと、どこか一点を見ているようだ。
「なるほど、たいした腕前でっせ」
「ありがとうございます」
「ところで、なんでわてらが堕ちたと知った?わてらの顔、見えヘンハズやで?」
「そこですよ。あなたがたは、顔を隠しながら生きていた。つまり、世間に顔向けを出来ないような行為、または失敗を犯した、そうでしょう?」
まいったとばかりに、頭を叩く。
「なるほど・・・・・・」
しばらくの沈黙。
「それじゃあ、おかわりいただきまひょうか」
そう言って、グラスを返す客であった。

─小一時間経過─

「しっかし、世間ってものは、なぁ~んにもわかっとらん!!!」
それに同意するように、喋らない相方も頷く。
「そりゃそうだよ!ヘコヘコと汚ねぇ野郎ばっかり上に上がりやがって。下のことも考えろや!!!」
 この様子から見て。
バーテンも、そうとう出来上がっているらしい。
「あんさんの言うとうりや!!」
客のほうもね。
「わてらのこと、昔はおもろいおもろいって、言われ取ったけど、才能もなぁ~んにもない若手ばっかりが目立ちおって、腹立つは、ホンマ」
「そういえば、おめぇ、なかなかいい男だねぇ」
「いやいや、あんさんのほうが男前や」
 また、頷くだけの相棒。
気のせいか、カクカク音がしているような気がする。
「よっしゃ、口のうまいあんたに、もう一杯どうだ?」
「いやいや、これ以上は、もう、代金が・・・・・・」
「よぉ~し、俺も男だ!!代金なんか、もらうか!!!!」
「あんさん、ますますいい男や」
「は~っはっは!!」

こうして、普通の人間とゾンビとスケルトンの宴会は、朝まで続いた。

後日、誰かの証言によれば、『夢の落とし物』は、潰れたという。


(14)・・・もしもアニエスが飲み屋のおかみをやったら・・・

 夜、九州福岡の繁華街。
九州最大の都市であるこの都市は、夜、東京に負けず劣らずのにぎわいを見せていた。
 また、音楽の町でも有名なこの町では。
深夜から朝にかけて、ストリートミュージシャンたちが、プロを目指し、日々努力している。
 そんな彼らに曲をリクエストするサラリーマンたち。
リストラか、あるいは上司との喧嘩か。
 そんなサラリーマンたちが立ち寄る酒屋の数々。
中でも、最近オープンした『紅の酒』は、若いサラリーマンに大人気であるという。
 そこに、一人の男が入っていった。
真面目な青年サラリーマン風の男と、ハデな遊び人風の男、二人が。

「いらっしゃい」
 店の若い衆が元気よく出迎える。
カウンターに腰掛けた男二人は、熱かんを二つ注文する。
「あら、珍しい組み合わせね」
 店のおかみであるアニエス。
燃えるような赤の巻き毛と、同色の着物を着こなしている。
 はじめて店に来た男たちは、かならず、これをみてハッと立ち止まるものである。
これが、若いサラリーマンに人気である理由だ。
「幼なじみでね」
誠実そうな男がこたえる。
「なにかお悩み?」
「いろいろ、ね」
今度は、ハデ男がこたえる。
「おかみさんはいいよねぇ。若い男が何人も言い寄ってくるだろ?」
「いやだぁ、そんな」
 思わず地を出してしまうおかみ。
ハッとした顔をして、なんとか話題を変えようとする。
「悩みのことって、会社のこと?それとも、就職難?」
「両方」
二人が、同時にこたえる。
「あらあら、随分と複雑な悩みね。いったい、どんなお仕事?」
「最近、就職難の若者たちの身の上相談とか、どこの会社の面接があるのか、とかね。要するに、就職相談所みたいなモノ」
「随分、立派なお仕事やってらっしゃるのね。それじゃあ、悩むこともないでしょう」
「そりゃああまいぜ、おかみさん」
ハデ風の男が、口を挟む。
「ハタから見れば、立派な仕事だけどな。実際に働いてみろって。
「これが失敗すれば、死ぬしかない」とか「あの会社、ロクなことがなかった」とか。毎日毎日、苦情の嵐。身がもたねぇよ」
すでに、熱かん二本を飲み干している。
「しかも、金は後から払う、とか言いながら、ぜーんぜん払ってこねぇ。ほとんどただ働き」
「時々、不良で「就職したい」と言ってきて、とりあえず、その髪型を・・・とは言うけど、「これはオレの魂だ!」なんて言って、逆ギレして帰っていくお客もしょっちゅうだ」
「気の弱い大学生のほうが、もっと扱いにくいぜ。なんせ「わたし、どうすれば・・・」とか、「あぁ、けっきょくわたしの人生って・・・」って、いきなり泣き出す奴もいるからよ」
「そんなにいやなら、転職なされば・・・」
「相談はするおせっかいなのに、こっちには実入りのいい話なんかありゃしない。しかも、こいつがお人好しだから・・・」
そういって、誠実青年を指さす。
「おまえの、その容姿で面接落ちてるんだろ?まぁ、オレの場合は裏がありそうって疑われて、それでボツだ」
「まっ、お互い様さ」
 二人が声を揃えて笑う。
幼いときから、こんなふうに過ごしてきたのだ。
「なんなら、お二人を雇いましょうか?」

 一ヶ月後、『紅の酒』に、若い女性のOLと、ギャンブル好きの男たちも出入りするようになったという。


(16)・・・もしもあの人たちが桃太郎をやったら(前)・・・

 むか~し、むかし、あるところに、おじいさんと、おばあさんがいました。
おじいさんは、山へ芝刈りに・・・・・・。
「失礼な!!薬草採集と言ってくださいよ!!!」
えっ!?別にいいでしょ、キットン。
「よくないです!!訂正してください!!!」
 はいはい。
えっと、おじいさんは、山へ薬草採集に、おばあさんは、川へ洗濯に行きました。
「洗濯なんぞ、家でもできるんじゃがのぉ」
ゼンばあさん、それじゃあ、話進みませんから。
「しかたがないのぉ」
 しかたないって・・・・・・。
まぁ、いいや。おばあさんは、川へ洗濯に行きました。
 すると、川上の方から、大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
おばあさんは、それを拾いました。
「おかしな桃じゃの。モンスターかねぇ?」
 ・・・・・・とにかく、大きな桃です。
えっと、それで、おばあさんは、家へそれを持って帰ります。
「こんなに、重い物を、洗濯物と一緒にねぇ・・・」
・・・・・・・・・・帰ってきたおじいさんは、それを見てビックリ。
「無視したのぉ」
 気にしないでください。
そこで、二人は、これを食べようと、台所から・・・・・・。
「クワを持ってきて」
 包丁でしょ、包丁!!
いくらなんでも、クワで桃は切れませよ、キットン!!
「でも、包丁で切るには、大きすぎますし・・・・・・」
・・・・・・・・・・おじいさんが、包丁を入れると。
「また無視したのぉ」
すると、中から・・・・・・
「ルーミィーだおう!!!」
こらっ!ルーミィー、桃太郎よ、桃太郎。
「名前は、わたしたちがつけるのでは・・・・・・」
・・・・・・おじいさんたちは、桃から出てきたその子を、桃太郎と名付け、大切に育てていきました。
「三度目の無視だねぇ」
 ゼンばあさん、それ以上つっこまないで。
すると、桃太郎はすくすく成長し、そのうち、村一番の力持ちにまでなりました。
「で、ルーミィーが成長して、なんでオレになるんだ?」
細かいことは気にしない、クレイ。
「ルーミィー、もうでられないんかぁ?」
ごめんね、ルーミィー。
「やだぁ、もっともっと、でるんらぁ!!!」
ルーミィー、あそこに、お菓子いっぱいあるよぉ。
「やったぁ!!」
「子供の扱い、うまいですね」
ナレーターに口を聞かないように、ね?
「話進めましょうよ」
 さすがはクレイ。
えっと、それで、桃太郎は、ある日、おじいさんたちにある重大なことを言います。
「おじいさん、おばあさん。ボクは、鬼ヶ島に鬼退治に行きます」
「えぇ!!?」
(いいリアクションだぞ、キットン!!)
「それじゃあ、桃太郎には、これをやろうかのぉ」
(はやくないか!?少し。もう少し引き留めるだろ)
「これは、シドの剣。おまえに生命の危機が訪れたとき、この剣が助けてくれるじゃろう」
「ありがとう、おばあさん」
「儂からは、これじゃ・・・」
「これは!?」
「薬草採集ついでに、竹も持ってきて、造ったものじゃ」
そうそう、クレイと言えば竹アーマー。
「・・・・・・ありがとう、おじいさん」
「それと、これじゃ」
「これは?」
「冒険者の必需品、薬草入りのチョコレートじゃ」
「・・・・・・ありがとう、おばあさん」
 なにはともあれ、旅支度のととのった桃太郎。
別れを惜しみながらも、鬼ヶ島への旅路にでます。
 ずっと、一人で歩いていく桃太郎。
すると、そのうち、一匹の犬と出会います。
「わんデシ!!!」
「おかしな鳴き声の犬だなぁ」
「わんデシわんデシわんデシ!!!」
「うん?このチョコレートが欲しいのかい!?」
「わんデシ」
「それじゃあ、わけてあげよう」
桃太郎は、チョコレートの一切れを、犬にあげます。
「あんまりおいしくないデシよ」
「しゃっ・・・喋った!!!」
いきなり喋った犬に、桃太郎はビックリ。
「名前はなんでしか!?」
「桃太郎だけど」
「ももたろしゃんは、なにしに行ってるんでしか?」
「鬼ヶ島に鬼退治に」
「それは大変デシね。ボクも手伝ってあげるデシ!!」
 こうして、桃太郎と一匹の犬は、旅を続けました。
すると、そのうち、一匹のキジに出会いました。
「ぎぃーっす」
「・・・・・・ずいぶん小さいキジだな。金髪だし、それに、鳴き方も少し違うような・・・・・・」
深く考え込まないように。
「それくれ、ぎぃーっす」
そういって、キジが指さす物は・・・。
「キジしゃんは、指させるんでしか!?」
シロちゃん、あんまり聞かない方がいいよ。
「そうデシか。なんか残念デシ」
 とにかく、桃太郎は、チョコレートを一切れ、キジに渡します。
すると、キジはそれを嬉しそうに食べはじめました。
「おまえの名前はぎぃーっす」
「桃太郎」
「モモ、たろーは、どこにいってる?」
「鬼ヶ島に、鬼退治に」
「オレ、手伝う、ぎぃーっす」
こうして、犬とキジと桃太郎は、鬼ヶ島へと、旅を続けます。

               前編終了

                        語り手 誠


(17)・・・もしもあの人たちが桃太郎をやったら(後)・・・

 桃太郎は、犬とキジと旅を続けました。
すると、今度は、猿が出てきます。
「で、なんでオレが猿なんだよ」
いいじゃん。
「んなもん、別のヤツに頼めよ!!」
トラップ以外に適役いないし・・・。
「なんでオレが適役になってんだよ!!!」
えっ!?な~んとな~く、ね?
「ね?じゃねぇよ、この野郎!!!オレは絶対やんねぇからな!!!!」
・・・・・・トラップ、耳かして・・・。
「ん!?」
ゴニョゴニョ、ゴニョ・・・
「うっ!!?なんでそれを!!!」
バラされたくなかったら、猿をやること、いいですか?
「わあったよ」
いい子いい子。
「・・・気になる、今、なにを行ったか、断然気になる!!!」
 クレイ、気にしないの。
それじゃあ、劇を続けて。
「チョコレート、くれ」
な~んか、抜けてるよ、トラップ。
「・・・・・・うっき~」
(必死に笑いを堪える一同+スタッフ)
「(同じく笑いを堪えながら)あぁ、どうぞ・・・」
 それを、おいしそうに平らげた猿。
すると、犬とキジと、同じ質問をぶつけます。
「おまえの名前は?うっきー」
「桃太郎だよ」
「桃太郎は、どこに行ってるんだ?うっきー」
「鬼ヶ島へ鬼退治」
「オレも行くぞ、うっきー」
 こうして、犬とキジと猿と桃太郎は、鬼ヶ島へ旅を続けます。
すると、ついに鬼ヶ島が見える海岸まで到着しました。
「さぁ~って、どうやって行こうか?」
「とりあえず、船を探そう」
すると、そのうち、猿が船を見つけます。
「この船、使えるぞ。うっきー」
 そうして、船に乗った一同。
そのまま、荒れ狂う波を越えながら、鬼ヶ島を目指します。
「着いたぞ!!!」
「行くデシ!!」
 気合いを入れて島に上陸する一同。
すると、鬼の子分の何人かが、一人と三匹を襲います。
「で、なんで俺たちが鬼なんだ?」
「気に、するな、オルバ」
そうだよ、ノル。
「ボクも同意見。この作者になにいっても、聞かないと思うよ」
よくわかってるじゃん、デュアン。
「くっ・・・今度やるときは、いい役つけろよ!!!」
そうは言っても、次回の予定はシンデレラだし。
「・・・・・・はやくやっちまわないか!!!ったく、もう・・・」
『はい!!!』
 さすがは、レディ・グレイス。
オルバまで言いなりになってる。
「野郎ども!!かかれ!!!」
リーダー格のオルバのかけ声と、
「負けるなよ、みんな!!!」
 桃太郎のかけ声が重なった。
桃太郎と、鬼の子分たちとの闘いが始まりました。
 最初は、一進一退だった攻防も、そのうち、桃太郎たちが押していきます。
「まっ、まいった」
リーダー格のオルバがやられると、全員が退却します。
「あとは、鬼の親分、か」
 さらに、島の中央まで行く桃太郎一行。
すると、どこからともなく・・・・・・。
「なんだ、これ、音楽か?うっきー」
「よし、キジくん。見に行ってくれ!!」
「りょーかい、ぎぃーっす」
 可愛い敬礼をした後、一人飛んでいくキジ。
でも、いつまで待ってもかえってきません。
「キジしゃん、帰ってこないデシね」
「いくか!?」
「そうだな、うっきー」
 桃太郎と犬と猿は、寄り添いながら歩いていきます。
それにつれ、大きくなっていく音楽。
「これ、なんデシか?」
「トラン・・・ペットかな?」
「バイオリンの音も聞こえるぜ、うっきー」
「そうだ、猿。聞き耳をたててくれないか?」
「わあったよ、うっきー」
 耳のよい猿が聞き耳をたてます。
すると、どんどん顔が険しくなっていきます。
「日本の音楽じゃねぇぞ、これ、うっきー」
「どんな音楽なんだ?」
「モル・・・ダウ、かな?たぶん」
「モルダウ!!!?」
「それ、なんでしか?」
さって、鬼の親分役は、誰でしょうねぇ?
「・・・・・・・・・・さては、うっきー」
 すっかり猿になり果てたトラップ、もとい猿は、一人駆け出します。
それを追う桃太郎と犬。
 すると、広い部屋にでた一人と二匹。
「やっときた、ぎぃーっす」
「キジしゃん!!」
キジと再会を果たす一同。
「来たか、桃太郎よ・・・」
 暗い部屋、その中央から聞こえる重く、低い声。
それが聞こえたかと重うと、聞こえるコントラバスの低い音。
 それに、チューバの音が重なったかと思うと、低いティンパニの響きが重なった。
すると、それから少しずつ高い音が重なっていき、最後は、ものすごく大きい音に。
 パチンッ
聞こえてくる指を弾く音。
 それと同時に、止まる全ての音。
それから、少しアップテンポな曲が響く。
「これは・・・いったい・・・・・・」
「ヤな予感がする、うっきー」
 今度は、スポットライト・・・・・・って。
おもいっきり、時代違ってるぞ。
 ジャンジャンジャンッ
締めくくる音楽。
 それと同時に、スポットライトが、一点を指す。
そこに立っている男性は・・・・・・。
「ようこそ、みなさん」
「JB・・・」
そこに立っているのは、JBこと、鬼の親分。
「よくぞここまで辿り着いた、勇敢な冒険者諸君よ」
「な~にが、よくぞ、だ。うっきー」
「さて、ここまで来たついでに、一ゲームつきあってくれんか?」
「・・・・・・はっ!?」
「そうしないと、劇の続きはやらんぞ」
「作者!!!」
 クレイ、しかたないじゃん。
第一、JB以外適役いないんだし・・・。
「いるだろ、他に!!」
いんや、いない。
「とにかく、一ゲーム、つきあってくれるな?」
「なぁ、そのシナリオって、まさか・・・」
「むか~し、むかし、あるところに、おじいさんと、おばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに・・・・・・」
「失礼な!!!薬草採集と言ってくださいよ!!!」
「わっ、キットン。どうして?」
「いやぁ、ここにお誘いの手紙が来て、ねぇ、ゼンばあさん」
「そうじゃ・・・」
「人数も増えたことだし。はじめるとするか」
「こういうオチかぁ~!!!!!!!」
こういうオチです。

   こうして、桃太郎は、無事、鬼退治を終えたとさ。
           めでたしめでたし

『めでたくなぁ~い!!!!!!!!!』

             桃太郎編終了。

                         語り手 誠

            次回予定シンデレラ


(18)・・・もしもあの人たちがシンデレラをやったら(前)・・・

 むか~しむかし、あるところに、一人の少女がいました。
その少女は、あまりにも可愛いため、継母と姉二人に嫉妬心から、いじめられていました。
 その少女の名前はシンデレラ。
そんなある日の話です・・・・・・。
「アニエスお姉さま!!」
「あぁ~ら、なに?マリーナ」
「聞いてくださらない?シンデレラったらね、さっき、そこの街道で迷っていたのよ」
「あぁ~ら、なんで連れてこなかったの?掃除をさせようと思っていたのに」
「だって、ほら。そこの窓から見てみてよ」
「えっ?あぁ~ら、なんと哀れなこと」
「あまりに哀れなので、そのままにしておいておきましたわ」
「気が利くわね、可愛い妹よ」
「えぇ、あのシンデレラが、傷つくなら、なんでも・・・」

一方、当のシンデレラは・・・。

「えっと~。どこだったかしら、家は・・・」
・・・・・・パステル、それは地?それとも芝居?
「やだなぁ、芝居に決まってるじゃないの」
・・・・・・台本にはないんだけど。
「ギクッ・・・。気にしない、気にしない。アドリブよ、ア・ド・リ・ブ」
(しょーがないなぁー・・・ちょっと行ってきて、クレイ)
「お嬢さん、いったい何をしているのかね?」
見ると、黒髪で背の高いいかにも上流家庭の青年が、そこに立っています。
「いいえ、ちょっと探し物を・・・」
「じゃあ、わたしも手伝いましょう・・・で、それはなにかね?」
「家です」
(素直に迷ってます、って言えよ)
「はっ・・・はぁ・・・。で、その家の特徴は?」
「えっと、黄色い、二階建ての・・・・・・」
「それは、あれのことかな?」
上流家庭の青年指さす方向に、シンデレラの家がありました。
「あっ、ありがとうございます。あの、お名前を・・・」
「いやいや、名乗るほどのものじゃあ、ありませんので。では・・・」
そう言って、二人は別れました。

「シンデレラ!!シンデレラ!!!」
「はい、なんでしょう、お姉さま」
家に帰ってきたシンデレラは、さっそく、姉二人に呼び出されます。
「ちょっと、さっきの青年は誰!?あなたの恋人じゃないでしょうね」
「いえ、家への道を教えてもらっただけです」
「嘘おっしゃい!!家は目の前にあったじゃないの!!!」
「それが・・・見失って・・・・・・」
「さっきから、なにを騒いでいるの!!」
すると、継母がパイプを片手に奥の部屋からやってきました。
「あぁ、お母様。シンデレラったら、わたしたち姉妹にも内緒で、男の人と逢瀬を重ねていたのよ!」
「お姉さま、それは誤解です!!」
「なに、シンデレラ!!口答えするき!!?」
 ダンッ!!
不意に、継母のロングブーツ・・・えぇ!!?
「なに?文句あるの?」
 ちょっと、レディ・グレイスさん。
家の中でロングブーツはないでしょ。イガイガなしにしても。
「あたしに口答えする気?」
え、いや、そんな・・・パイプを押しつけながら、言わないでください。
「じゃ、いいわね」
 ・・・・・・はい。
不意に、継母のロングブーツが、床をならします。
 それで、黙る一同。
「シンデレラ。あんたは、いつから、わたしたちに口答えするほど、偉くなったんだい?」
「いえ、別に、口答えなんか・・・」
「それに、アニエス!!マリーナ!!あんたたちも、小さなコトでグジグジいいなさんな」
「はい、お母様・・・」
「それと、今日は舞踏会に招待されているからね。はやく準備をしな!!!」
「はい、お母様」
 それぞれ、全員、準備にとりかかります。
アニエスは、髪と同じ、胸元露わな赤のドレスに、赤のスカーフ。
 マリーナは、全身をゆったりと包んだ薄い青のドレス。
そして、継母は・・・・・・。
「また、文句があるようだね」
いや、ホントに。レオタードとか、やめてくださいよ。
「いいでしょ」
 しょうがないなぁ。
じゃっ、レオタードでは舞踏会にでれないってことで。
「しょうがない・・・」
 継母は、すらっとした黒のドレスに、左肩にカラスの羽を。
けど、シンデレラは着るドレスがありません。
「じゃあ、シンデレラ。お留守番、よろしく頼むわね」
 継母と、二人の姉は迎えに来た馬車に乗って、舞踏会に行きました。
一人残されたシンデレラは、部屋の掃除をしていました。
 すると、誰もいないハズのキッチンから、誰かが出てきます。
「あなた、誰!?」
「ルーミィ-だおう」
 こら、ルーミィー。
魔女とか、仙女とか、そのあたりで言ってって、言ったでしょ?」
「魔女とかだおう」
とかはいらない!!
「魔女だおう」
「(必死に笑いをこらえながら)で、その魔女が、わたしに何かよう?」
「ん~とね、たーさんご飯もあったおう」
「えっ!!?」
台所を見ると、見るも無惨に、食い荒らされたあとがあります。
「あぁ、どうしましょう・・・。また、お姉さまたちに叱られる」
「だかあね、ぱぁーるのねがい、かなえるんら」
ルーミィー、いまはパステルじゃなくって、シンデレラ。
「だかあね、しんでえらの願い、かなえるんら」
「わたしに、願いなんか・・・」
「わあった、ぶどーかいにいきたいんか?」
「えっ!?どうしてそれを!!?」
「ルーミィーまじょだかぁ」
「そう・・・そうね。わたし、舞踏会にいきたい」
「わかったおう」
 外に出る二人。
魔女が、魔法を唱えると、そこに、かぼちゃの馬車ができます。
「で、なんでオレが御者なんだ?」
きにしないで、トラップ。
「前回といい今回といい。損な役だぜ」
とか言っても、私には逆らえない。
「そゆこと」
 劇を続けようね。
えっと、でも、シンデレラは、あることに気付きます。
「あぁ、でも、こんな服じゃいけないわ」
「だいじょーぶだおう」
 また、魔女が魔法をかけます。
すると、今度はボロい服がドレスにかわります。
 白いドレスに、髪はアップ。
「これでだいじょーぶだおう」
「ありがとうございます!!」
 シンデレラは、魔女にお礼を言います。
すると、魔女はある、重大なことを言います。
「このまほーは、十二時までしかもたないおう。きおつけるんら」
「はい、わかりました!!」
こうして、シンデレラは舞踏会会場へと行きました。

               前編終了

                     語り手 誠


(19)・・・もしもあの人たちがシンデレラをやったら(後)・・・

「ねぇ、そういえば御者さん」
「なんでございましょうか」
(あっ、トラップが敬語つかってる)
「この国の王子様って、いったいどなたですか?」
「いいえ、わたくしのような下人の知るところではありません」
(とか言いながら、顔笑ってるし)
「ねぇ、作者さん」
ん?まぁ、パステル以外には、一応教えてあるけど。
「なんでわたし以外なの?」
 気にしない気にしない。
さてさて、馬車はお城に到着しました。
「さぁ、シンデレラ。どうぞお降りください」
「えぇ、ありがとう」
 颯爽とお城に入るシンデレラ。
大ホールにいた貴族の方々は、みな、彼女の美しさに目を見張ります。
「あらぁ、シンデレラ。来ていらしたの?」
 見ると、マリーナ姉さんが、シンデレラに近寄っています。
傍らには、昼間、シンデレラを家へ案内した貴族(クレイ)が立っています。
「あぁ、昼間はどうも、ありがとうございました」
「いえ、当然のことをしたまでで」
「ところで、あなたがこのお城の王子さまなのでしょうか?」
すると、二人は必死に笑いをこらえながら、ごまかすように、どこかに去っていきました。
「あらぁ、シンデレラ」
 今度は、アニエス姉さんです。
傍らには、引きずられるように立っている美少年がいます(ちなみにデュアンね)
「あら、お姉さま」
「まぁ、せいぜい頑張るコトよ」
この二人も、さきほどの二人と同じように去っていきます。
「ねぇ、いったい王子って誰!?」
 予想してごらん。FQとDS両方の小説で、いままで出てきていない男性、けっこういっぱいいるからね。
特にFQは外伝こみ。
「えぇ~、ぜんぜんわかんないよぉ」
 ほら、そうしている間に、今度グレイスお母様がきました。
傍らには、背の高く、腕っ節の言い男の人が立っています(ノルです)
「あら、シンデレラ。あなたも来ていたの」
「えぇ、お母様。そうそう、ちゃんとお部屋は掃除しましたは」
「そう、ありがとう。今度からは、そういったことが、ないかもしれないからねぇ」
「えっ!!?」
「それじゃあ、わたくしたちはこれで」
そう言って、男の人の腕を取り、どこかに去っていきました。
「ねぇ、王子は・・・」
 さて、いよいよ本番。
王子様の登場です。
 壮大なオーケストラ(協力、JBのコボルトたち)が、場内に響きます。
続いて、スポットライト。
 そのスポットライトが、ある一点を指します。
そして、そこに立っているのは・・・・・・。
「・・・・・・・・・・えっ!?・・・・・・・・・・」
「ブクブクゥおまえはブクゥオレのブクゥお嫁になるブクゥ」
そう、半魚人のかたです(協力、キャプテン・ブラック海賊団)
「も・し・か・し・て・・・」
 そっ、あの時プロポーズした半魚人さん。
さがすの苦労したんだから~。
「苦労するくらいならさがさないでよ!!!」
 さて、王子がシンデレラに歩み寄ります。
そこで、シンデレラは。
「逃げるぅ~!!!」
 十二時でもないのに駆け出すシンデレラ。
すると彼女は、階段でガラスの靴を落としてしまいます。
「あっ!!」
振り向くと、かなり接近してますね。
「拾わずに逃げるぅ~!!!」
そのまま構わず、シンデレラは逃げます。
「どうなさいました、シンデレラ」
「わたしをどっか、遠いところへ」
「承知!!!」
 いそいで馬車を走らせる御者。
すると、後ろで悔しそうに、地団駄を踏む半魚人。
「このブクゥ花嫁泥棒ブクゥ!!!」
 トラップに向けられてこの言葉。
すると、トラップはこういいましたとさ。
「だっておいらは盗賊だからね」

 こうして、シンデレラは、王子様の許嫁という、最高の名誉を与えられながらも、ずっと、逃亡者として逃げ回ることになったのでした。

           おしまい

                     語り手 誠

         次回予定 北風と太陽


(20)・・・もしもあの人たちが北風と太陽をやったら・・・

      双子の魔女と未来の勇者の場合

 むか~しむかし。
あるところを、一人の男が歩いていました。
 彼は分厚いコートを身に纏い、何か言っています。
「あぁ、かの地につくのはいつの日か・・・」
 男の名はデュアン・サーク。
さて、そんな彼を見下ろす北風と太陽。
 彼女らの話を聞くと・・・。

「ちょっと、あれ、いい男じゃない?」
双子の姉、オグマが嬉々とした声をあげる。
「お姉さま・・・美形だったらひ弱でもいいわけね」
 双子の妹、サムラが呆れている。
彼女らの日常生活で、よく行われる会話。
 だから、別に対した問題じゃない。
「じゃあ、どちらがあの子のコートを脱がせることが出来るか、勝負しましょ」
「そうね」
さて、北風と太陽は・・・
「ちょっとまって、作者」
なんですか?サムラさん。
「どっちが北風で、どっちが太陽なの?」
えっ!?
「そうよ、決めてないじゃない」
(困ったな~、どっちかに絞ったら、殺されそうだし)
『どうなの!!?』
えっと、それは公平をきたすため、二人で話し合って・・・。
「じゃあ、私が太陽、決定ね」
「お姉さま!!いつもいつも、いい方ばかりを取って!!!」
「あぁ~ら、サムラ。普通、姉に譲るものでしょ?」
「普通、上が下に譲るものでしょ?」
「あなた、学校でどういう教育受けてたの?」
あの~、はやく決めて下さいよぉ~。
『あなたは黙ってて!!!』
(こういう所は双子だよなぁ)
「とにかく!!私が太陽!!!」
「私が太陽よ!!!」
「聞き分けの悪い子ね!!!このっ!!!」
「あっ、殴ったわね!このぉ!!!」
「魔法を使うことないでしょ!!!」
「そっちが先に手を出したんでしょ!!!」
ほら、やめてくださいよ、話が・・・。
『あなたは黙ってて!!!』
 は~う~

 さて、その真下を歩いていた男。
北風と太陽のケンカに巻き込まれ、コートは消滅した。

   結果報告
     北風と太陽、揃っていれば天下無敵

     盗賊と奴隷頭とリーダーの場合

 むか~しむかし。
あるところを、一人の男が歩いていました。
 彼は分厚いコートを身に纏い、何か言っています。
「あぁ、かの地に着くのはいつの日か・・・」
 男の名はクレイ・S・アンダーソン。
さて、そんな彼を見下ろす北風と太陽。
 彼らの話を聞くと・・・。

「おい、あそこの歩いている男」
「あれがどうかしたのかい?」
 興味なさそうにこたえるのはレディ・グレイス。
さてさて、遊び相手を見つけたと喜んでいるのはトラップ。
「なぁ、あいつのコート、脱がさねぇか?」
すると、そんなトラップをまじまじと見るレディ・グレイス。
「あんた、いつからそんな趣味が・・・」
「なに言ってんだよ!!!!」
慌てて否定するトラップ。
「じゃあ、賭をしようぜ」
「賭?」
「一口千ゴールドでどうだ?」
(そんなコト台本に書いてないのに・・・)
「ふぅん・・・」
(あっ、眉毛がピクピクいってる)
「じゃあ、こちらからも条件を出す」
「なんだ?」
「掛け金は一口一万ゴールドだ」
 それを聞いて、ちょっと悩んだトラップ。
だが、こたえは決まっていた。
「いいぜ」
「じゃあ、どちらが先に行く?」
「オレから行ってくる」
 じゃあ、先攻のトラップは北風トラップね。
さて、北風トラップは、ある作戦を立てます・・・・・・。

「大変だ!!!」
「どうしたんですか?」
 いきなり走って近寄る北風トラップ。
それを見て、旅人クレイは少し慌てる。
「そのコートを貸して下さい!!!」
「はっ、はい」
そう言って、コートを渡すクレイ・・・えっぇっ!!?
「イエェーーーイ、オレの勝ちだ。ありがとさん」
 そう言って、コートをかえすトラップ。
後には、ただただ、立ちすくむクレイがいた。

「オレの勝ちだ。はい、一万ゴールド」
「あら、私が後攻だから、私もやったらチャラよ」
それでは、後攻、太陽グレイス、行ってらっしゃい。

「あの、どうしたんですか?」
うずくまってる女性を、気遣うように声をかける旅人クレイ。
「あぁ、旅の方、ちょっと頼みがあるんですけど・・・」
「なんでしょう?」
 親切なクレイ。
その頼みを、もちろん聞くつもりだ。
「コートを、脱いで下さい」
「えっ、えぇ。そんなことなら」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほら、作者」
 ・・・・・・コートを脱ぐクレイ。
それを見届けると、レディ・グレイスは、いつの間にか消えていました。

「これで、引き分けだね」
「あのさぁ、作者」
なに?
「なんで、クレイなワケ?」
いや、適役だろうなぁ~と、思ったから。
「どこがだよ」
・・・・・・反省してます。

      結果報告
        北風と太陽、それ以前の問題でありました(反省)

             おわり

                         語り手 誠

           次回予告 未定


 1999年4月26日(月)22時18分05秒~2000年1月18日(火)20時46分投稿の、PIECE(誠)さんのショート集です。継続中。

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