今宵もすてきな城へ(21〜30)

(21) 
 「お次はこの方です。」
  ライトがあちこち照らし、今度は中央を照らした。
  照らされた所に居るのは、身長の高い女性。
 「アイレンス・モイールです。アスでけっこうですよ。職業は…宿屋を経営してるんで
  すよ。ここから東にあるトーイルという街へ来たときは、ぜひ我が宿屋『モイール
  旅館』にお泊まりを。サービスさせてもらいます。」
  商売熱心なのかチラシまで配りだしてる。
  隣にいたマリーナがじぃーと彼女を見てる。
 「マリーナ、どうかしたの?」
 「え!? あ うん。なんだか知り合いの人に似てるのよね。それに名前も同じだし。」
  後ろにいたトラップが首を突っ込んでくる。
 「そう思うだろ! オレも絶対あの『アス』だと思うんだけどよ。あの声といい、性格と
  いい、まったく同じだぜ。」
  トラップたち2人は彼女のことを知ってるみたい。
 「知ってるの?あの人のこと。」
 「知ってるもなにも、元盗賊。オレんとこの盗賊団に居たんだからな。5年前に結婚して
  出ていったんだけど、こんなとこで会えるとは思わなかったな。」
  元盗賊かぁ。
  そういえば、見た目でも軽そうな体をしてるものね。

  マリーナのときと同じように、今度は王子の側近の人が聞いてきた。
 「失礼を承知でお聞きしますが、あなたは今、おいくつでらっしゃるのでしょうか?」
  すると大声で彼女は笑い出した。
 「あははは…‥気になるかい? こう見えてもまだ24歳。‥そうだ、王子は年上は
  好みじゃないとか?」
  急に聞かれた王子は 「えっ!?」 て顔してる。
  そして、にっこり笑って答えた。
 「年上の女性も好みですよ。」
  ……プッッ…
  この2人のやり取りにトラップが吹き出してしまった。
 「ちょっと、トラップ!」
  バンと背中を叩く。
  けどそれがきっかけで周りの人たちも笑い出しちゃって。
  その様子を見て彼女は
 「こんな私ですけど、よろしく!!」
  そう言って、Vサインをしている。
  笑顔を振りまくように。

(22)
 「お次は、この方です。」
  ライトがあちこちを照らし、今度は舞台の近くを照らした。
  黒くて長い髪。赤いドレスを着ていて、すそは大きく開いているやつ。
  丸くてパッチリした目をしている。
 「ローリア・ウィニー・マルク といいますわ。今は世界中を旅してますの。」
  ゆっくりとした口調。なんだかシロちゃんのお母さんを思い出す。
  …シロちゃんのお母さんはホワイトドラゴンだけど。
 「あの人、ボクと同じニオイがするデシ。」
  シロちゃんは彼女を見て、鼻をクンクンと向けてる。
  同じニオイ‥ってことは、まさかドラゴン!?
  ま まさかぁ、そんなはずない…とはいえない…。
  だってドラゴン族は人間にも変身できるのよね。
  それにシロちゃんが嘘を言うとも思えないし。
  じゃあ、あの人ドラゴンなの??
 
 「ローリアさんは、1人で旅をしてらっしゃるのですか?」
  さっきと同じ人が聞いてくる。
 「えぇ そうですわ。1人でゆっくりと飛んで行きますの。とーっても気持ちいいんで
  すのよ。なんでしたら今度ご一緒に飛びましょうか。」
  飛ぶって、あの空を飛ぶってことだよね。
  …ドラゴンになって飛んでるのかなぁ?
  でもさすがに普通の人は、あの人がドラゴンなんて思ってないから「飛ぶ」っていう
  言葉を不思議がってる。
 「魔法のフライのことでございましょうか?」
 「いいえ、違いますわ。魔法なんて使わなくても飛べますもの。」
  会場中ざわめきはじめてる。
  すると彼女は 「あら、まぁ」 と、困った顔になってる。
 「いけませんわ。普通の人間は飛びませんものね。皆様、さっき言った言葉はお忘れ
  になってくださいませね。ほほほほ………‥‥。」
  なんか もうみんな呆然。
  そんな中、彼女はひたすら笑い続けていた。

(23)
 「お次は、この方です。」
  ライトが今度は部屋のすみを照らしている。
  肩くらいまである髪を1つに束ねて、黒のサマードレスを着ている。
  女の人だけど 「カッコイイ」 という言葉が似合いそうで、キリッとした目が印象的。
 「…マーリン・カレド・ウォーリア。海賊の頭(かしら)をやっている。そこら辺の海賊達
  とは違うがな。」
  周りからどよめきが起こる。
  なんで、こんな所に海賊が? っていう声がする。
  わたしたちは、 海賊には前に1回だけ会ったことがあった。
  ピーターパンに出てくるフック船長のように眼帯を付けてたけど、飾りだったっていう
  秘密を知ったり、ディビーとそのお母さんたち2人と一緒で振り回されたりしてたなぁ。
  ……そういえばあのとき、わたし半魚人にプロポーズを受けたんだよぉ〜。
  初めてのプロポーズが半魚人だもんなぁ…ホントあのときは、嬉しかったのやら、
  困ったやらで…いくらなんでも半魚人と結婚はしたくなかったし。
  初めての恋のジュン・ケイも見事に敗れたし…。でもでもこのわたしでも正式に
  プロポーズされたんだよね。…ギアから‥。 
  チラッとギアの方を向くと、目が合ってしまった。
  ひゃあ〜〜、顔が熱くなっていく!
  さらにギアが微笑んで、やさしい目をするからよけいに顔が熱くなる。
 「ぱぁーる、タコさんみたいだよぉ。」
  ルーミィから見ると、わたしは真っ赤になってんだろうなぁ。
  他の誰かに気づかれないうちに、冷やさないと。

  そしてまた、どこからか質問される。
 「なぜ、海賊のあなたが王子の花嫁になりたいのですか?」
  海賊だから、駄目なのか!!
  心の中で反発してると、彼女はあっさりと返した。
 「王子がどんな奴か見たくてな。それが理由では駄目なのか?」
  ギロッとにらむと、さすがに迫力があるみたいで、質問した人もたじたじになってる。
  そこに、また誰か割り込んでくる。
 「あなたは海を愛していますか?」
  聞いてきたのは王子だった。
  いきなりこんなこと聞かれたら、困っちゃうよ。
  でも、これもあっさりと彼女は答える。
 「もちろんだ! 海を愛していなければ海賊はやってはいない。…おまえは海が
  好きか?」
 「これ! 無礼者、王子に対して『おまえ』 とはなんだ!!」
  白いひげを生やしたおじさんが彼女に怒鳴る。
  でもそこで王子が手を前に出す。
 「やめないか! 客人たちの前で。 僕は気にしていない、むしろ自分を作っている
  人より この人みたいに自分の言葉で言われた方がいい。…マーリンさん、失礼
  をしました。 …僕は海を見たことがないんですよ。城の中ばかりで、自由に外へ
  出られないから。でも、人から聞くと、見渡すかぎり青く広がっていると。‥あなた
  は、その海を愛せているのだから、きっと僕も海を好きになれると思います。」
  王子というお金には不自由しない身分での逆に自分勝手に行動できないっていう
  リスクを背負ってる。
  わたしたちは、まだ幸せなのかもしれない。
 「そうか‥海を見たことがないのか。 では、今度 海を見せてやろう、わたしの船に
  乗ってな。」
  すると王子は、うれしそうに言った。
 「本当ですね。約束ですよ。」
  彼女は満足そうな顔をしていた。
  今から王子との約束が楽しみだっていう様子が感じとれるほどに。

(24)
「次の方は、この方です。」
 ライトは わたしたちの手前を照らしている。
 そこには、うすいピンクの蝶の柄のドレスを着た女性が立っていた。
「名前は、ノエル・バトワークです。小さなショーで歌を、各地で歌っています。」
 透きとおるような声。
 しぐさもしっとりとした感じで、心を奪われそうかも。
 クレイやトラップたちも彼女を夢中で見てる。
「きれいな声…彼女、どこかで見たことあるような気もするけど。」
 わたしのとなりでシニアがつぶやく。
「見たことあるって、どこで見たの?」
「…分からないけど、確かに顔は覚えてるのよね。」
 頭の中から昔の記憶を引き出して、誰だったのか思い出そうとしてるけど
 なかなか思い出さないらしい。

「…もしや、あなたは世界中を歌を歌って回っているあの有名なノエル・バトワーク
 さんですか?」
 家臣の1人が聞いてきた。
「まぁ そうですけど。たいして有名ではありませんよ。小さなショーしかやりませんから。」
 すると どこからか声が。
「その小さなショーしかやらねぇから、チケット取るのに苦労するみたいだがな。あんた、
 自分で分かってないみたいだから言っとくが、今やもうあんたは一流の歌い手よりも
 人気があるんだぜ。ぜひ、あんたの歌が聴きたいっていう人が沢山いるんだからな。」
 ちょっとお酒が入ってて、顔が赤くなってるオーシが彼女に向かって言っている。
「……まだまだ一流の歌い手にはなれません。人気があったとしても。わたしは、自分の
 納得した歌を歌ったことがないのですから。少しの人に聴いてもらって、どうだったか
 聞ければいいのです。」
 小さな声でそう言った彼女の顔は、なんだか寂しそうに見える。
「ここでは、歌えませんか?」
 手をさしのべるように王子が聞いてくる。
 でも彼女は首を横に振るだけ。
「…そうですか。……でも、いつか歌ってくださいね。あなたが歌うときはぜひ僕にも
 聴かせてください。楽しみにしてますから。」
 無理をさせないようにやさしく答えてくれる王子。
 彼女は王子のその言葉を聞いて、少し笑ったような気がした。

(25)
「次の方は、この方です。」
 さーて、次は誰になるんだろう。
 なんてのんきなことを考えてたら、ライトがわたしを照らしてるような。
「パステル! 次はパステルの番よ!!」
 小声で言ってくるマリーナが腕をつついてくる。
 へっ?? わたしの番…
 えぇぇぇぇーーーー!!
 うそ!? もうわたしなの!?
 ど どうしよう。なにも考えてなかったよぉ〜。
「あの〜、すみませんが自己紹介のほうをしてもらえませんか?」
 司会者が言ってくるんだけど、もうそれどころじゃない!
 心臓がバクバクして、あ〜どうすればいいの?
「パステル…いつものパステルでいいんだよ。いつもの明るいパステルでさ!」
 肩をポンッと叩いてクレイが励ましてくれた。
 そのせいか少し気が楽になってやっと話せる状態になった。

「あの その パ パステル・G・キングといいます。えーと‥冒険者です。
 あの職業は詩人兼マッパーで、えっと パーティを組んでます。」
 はぁ〜、なんとか言えた。
 緊張するよぅ。

「…ふむ、あなた、うちのアロウに似てますな…。」
 ギクッ!!
 う〜ん、きたか この言葉。
 絶対言われると思ったんだよなぁ。
 国王と同じで周りのみんなも驚いてるみたい。
 …今まで気づかなかったのかな?
「僕も彼女を見たときそう思いましたよ。まるで、双子のように…。失礼ですが、今
 おいくつでしょうか?」
 王子に聞かれるなんて思わないから、言葉がつい変になっちゃう。
「はい その 今年でですか? その 17歳です。はい…。」
 え〜ん、ちゃんと言えたかなぁ。
「なら、もし兄弟だったら妹になるんですね。…あなたとは、今度ゆっくり話してみたい
 です。気が合いそうですから。」
 そう言って、ウインクされてしまった。
 うっ 鼻血がでてきそう…
 それほど、王子の顔が整りすぎてるからすてきに見えるのだろう。
 …でも、わたしにそっくりなんだよね。
 でも、なんか違うんだよなぁ。
 何が足りないのかな…わたしには。

 返す言葉があまりみつからなくて結局、笑顔で答えた。
「はい、今度ゆっくりお話しましょう。」
 ちょっと慣れ慣れしいような気もしたけど…。
 まっ いいか!!

(26)
「お次の方は、この方です。」
 ライトは、わたしたちから見て右側を照らしている。
 そこにはさっぱりした短い髪で腰に短剣を付けている女の子。
「ディーア・オアヌゥだ。冒険者でファイター。」
 あまり話すのが好きではないようで、短く言っただけで終わってしまう。
 ずっと質問していた側近たちもなぜか聞いてこない。
 原因は短剣だろう。
 ファイターなら剣の腕前は立派なはず。
 なぜ、こんなところに剣を持ってきてるのかという考えがあるからかも。
 でも、そんなのは気しないというふうに王子が彼女に聞いてくる。
「女性のファイターですか。かっこいいですね。レベルがいくつでしょうか?」
「‥10だ。」
 王子の顔を見ようとはしないで、逆のほうを向いて答えてる。
「うわぁ、強いんですね。それならきっとすごいクエストもこなしてきたんでしょ?」
「まあな。」
「聞かせてくださいね、僕そうゆうの好きなんですよ。‥答えてくれて有り難うございます。
 もっと知ってみたいですね。いろいろと。」
 彼女は、フンっとまた逆のほうを向いてしまった。
 でも、なんだか照れてるのを隠してるような気もした。

(27)
「お次の方は、この方です。」
 ライトは、左側を照らしている。
 そこには、青いドレスに首に白いスカーフを巻いている女の子がいる。
「リオン・マクリーデーンといいます。『マクリー』という店で働いています。」
 ちょこんとお辞儀をして、みんなに笑いかけてて、とってもかわいい。
 リタもそうだけど、客商売をやってると笑顔がなんだか爽やかに見えるような気が。
 
 質問してきたのは、国王の後ろにいた家来。
「あなたはたしか、まだ13歳のような気もしたのですが…。」
 なんでこの人が彼女の年を知ってたのだろう。
「えぇ、でも今年で14歳になりますもの。それに今すぐ結婚ってわけではないでしょうし。
 うちのお父さんは14歳になったら結婚を許すと言ってましたから。…でも、なんで
 わたしの年をあなたが知ってるんですか?」
 するとその家来はあわててるみたい。
「‥いえ その〜 あっ ほら ここの誰かが言っていたのを偶然聞いて…そ それで
 知っていたんですよ。」
「‥ふ〜ん‥。」
 なんだか、あやしいよねぇ。
 彼女もそう思ったのか首を傾げてる。

「13歳のお嬢さんですか。まぁ、王子より若いのは、まぁいいですが若すぎるのもねぇ。」
 偉い階級の人が彼女にわざと聞こえるように言った。
 その言葉にカチーンときたのか、彼女はその人を睨みつけるように言った。
「年は関係ないでしょ。それにわたしは年よりもしっかりしてるんだから!」
 おもいっきり大きな声で言うと、彼女は頬を膨らませた。
 でも、こんなところを見ると13歳だなぁって、思わせるんだよね。

「すみません。」
 謝ってきたのは王子。
「えっ?」
 彼女は驚いたように王子を見る。
「家来たちのしつけがなっていなくて。さっきの彼の言葉、お詫びします。人は見た目では
 分からないものですよね。さっきも言いましたが僕は年は関係ないと思ってますから。」
 王子に謝れたせいか彼女のほっぺたも元通り。
「そうでしょう、年なんて関係ないんだから。」
 まるで自分に言い聞かせているみたいに強く言っていた。
 そして、少し笑顔が戻ったみたいだった。

(28)
「お次の方は、この方です。」
 ライトは、中央の方を照らした。
 照らされそこに立っている女の子は、大きなリボンが胸元に付いたかわいいドレスを
 着ている。
「わたしぃ〜、エネェイ・ガイルっていいま〜す。まだ、12歳なので働いてませ〜ん。」
 なんだかうきうきした気分の女の子で、調子が狂いだしちゃいそう…。

「あの‥12歳なんですか? なぜまだ12歳のあなたがこの花嫁募集にこられたのか
 早すぎるような気もしますよ。」
 側近の1人が彼女に問う。
「だって〜、エネェイは〜 お姫様に憧れてるの〜。 王子様のお嫁さんになれば〜
 お姫様になれるんでしょぉ〜 だから〜。」
 ははは……お姫様になりたくてかぁ。
 でも、まだ12歳じゃ花嫁には早すぎると思うけど。
 12歳とかの年頃ってお姫様とかに憧れるのかもね。

「お姫様に憧れてるのですか? でも、僕の花嫁にならなくても、あなたは充分
 お姫様にはなっていますよ。最初は、あなたの父上・母上のお姫様になっている
 のですから。」
 王子が彼女に答える。
「そうゆうもんかなぁ〜。」
「そうだと僕は思いますよ。」
 すると彼女は、にっこり笑って
「ありがと〜 教えてくれて。王子様っていい人だね。」
 素直というか、単純すぎるのか。
 でも、子供らしい心を持っているような気もする。
「いいえ、どういたしまして。」
 王子もまるで子供に戻ったかのような笑顔を彼女に向けていた。

(29)
「お次の方は、この方です。」
 ライトが1つの場所を照らした。
 そこにいる女性は、紫のドレスを着た色っぽい人。
「ユーシー・ミナエルですわ。仕事は、酒屋でウエイトレスをやってるの。ぜひ、一度いらし
 てね。」
 王子に向かってウインクしてる。
「く〜 色っぽいなあの女。あんなのが横にいたらなぁ。」
 トラップがわたしを見て言う。
 ふーんだ! 悪かったわね。
 どうせ、わたしは あんなに胸は大きくないし、色気もないわよ。

「いやぁ、その美貌でしたら、もっといい仕事もありますでしょうに。」
 側近の1人が彼女に言う。
 彼女は、ちょっと顔を引きつらせて答える。
「わ わたしは酒屋のほうが好きなんですよ。おほほほほほ……。」
 なんだか笑いでそらせようとしてるみたいで、逆方向を向いてしまった。
「まっ、これくらいでいいでしょ。私の自己紹介はこれで終わるわ。」
 もう自分でしめてしまった。
 そして、会場のすみのほうに行ってしまった。
 なにかを隠すかのように。

(30)
「お次の方は、この方です。」
 ライトは、右はしを照らす。
 そこにいるのは、黄色の短いドレスを着ている女の子。
「チアウィールっていいます。親と一緒に旅芸人やってま〜す。」
 とっても明るい女の子で、なんかいろんなパフォーマンスをやっている。

「なにか得意なパフォーマンスは?」
 王子が彼女に聞いてくる。
「得意なもの? そうだなぁ、火輪投げかなぁ。火のついた輪投げを宙に投げるんだけど、
 これがまた難しいの。でも、そのスリル感がたまんないのよねぇ。」
 ウキウキした気分で王子に話かける彼女は、王子のいるほうへ何か投げた。

「えっ??」
 手で受け取った王子はそれを見てみると、それは…なんと蛇!!
 近くにいた人が叫び声をあげる。
「きゃーゃー へびぃーーー!!」
 でも持っている王子のほうは平然としてて、何か手を動かしている。
 すると蛇がカラフルな花に変わってしまった。
「手品用の道具ですね。」
 すると彼女は関心したように王子を誉める。
「よく解ったねぇ。見直したよ。まっ、それぐらい見抜けなくちゃ男じゃないわね。」
 わたしは女で良かったかもしれない。
 だって、絶対取れないもん‥蛇なんか。
「お誉めいただき光栄ですよ。」
 王子は軽く会釈をしてる。
「楽しくいきましょーよ、せっかくのパーティーなんだしね!」
 そうして彼女は一面に花を出した。
 ステージに立ったかのように、注目をあびながら。

1998年6月12日(金)18時49分49秒〜6月25日(木)18時11分10秒となっている、21〜30話です。登場人物紹介の回が続きますが、この、「マーリン・カレド・ウォーリア」さんの名前は、わたしからとっているそうです。

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