「あるコボルトの物語」

 ここはホーキンス山。ここには知る人ぞ知る伝説のブラックドラゴンがすんでいる。
ブラックドラゴンといえば、恐ろしいドラゴン族の中でも特に恐ろしい性格をしており、
また高い知能を持つことで知られており……、
「ふはははははははははは」
「どうなされましたご主人様。いきなり笑い出して……」
「うむ、何かほめられたような気がしてな」
 ……ゲームな日々を過ごしている。
「うぬ、そう返すかコボルトA、通称はせがわみやび!」
「はい、わたしだっていろいろ考えるんです……って、何ですかその説明的な呼び方は」
「なんとなくだ」
「はあ……、っまあ、そんな事はどうでもいいとして、どうなされますご主人様?」
「……不許可だ」
「はあ!?」
「わたしがルールだ!」
 ……相変わらずである。
「それはとにかく、最近とみに腕をあげたな一番弟子のコボルトA、もはやわたしが教
えることは何もない!
 今からおまえは下界に降り、さらに腕を磨き、あしたのゲームの星を目指すのだ!」
「どこかで聞いたようなセリフですね」
「うむ。懐かしいな。それはとにかく、さっさといかんか! 月日はおまえを待っては
くれんぞ!」
「(きっとさっき勝ちそうになったから体よく追い出したいんだ)」
「何か言ったかはせがわみやび」
「いえ、何も。では、お名残惜しゅうございますが、行って参ります」
「うむ。励めよ。(やれやれさっきは危なかったわい)」
 ……というわけではせがわみやびは地上に降り立った。
「……とはいうものの、これからどうしようか…人間の知り合いっていえばこないだ来
た人たちくらいだけど、今どこにいるか……」
 とりあえず歩き出した彼。ある町のモンスター酒場で伝説のゲーマーのうわさを聞い
た彼は、その人物が住むある島へと向かった。
 その島はファズボール島と言い、2000人近くが住む活気あふれる島だった。その
島の管理人がその伝説のゲーマーで、ファズ(本名不明)と呼ばれていた。彼女は(驚
いたことに女性だった)うわさ通り世界最強と呼ばれるゲーマーで、はせがわみやびは
彼女に会うことができた。
「へえー、ゲームの星に。そりゃ大変だわね。何ならここでゲームしてく? ちょうど
相手が欲しかったし」
「ああ、いいですね」
「じゃ、行くわよ!」
 彼女は異常に強かった。そして彼女の元で研鑽を積むこと幾年、ついに彼はあるTR
PGリプレイのライターとなる。そのゲームこそ、冒険時代連載の小説を元にしたフォー
チュンクエストRPGである。
 現在彼はホーキンス山に戻り、JB3氏を散々苦しめているそうである。

END

(この話はフォーチュンワールド内におけるフィクションであり、実在の人物、事柄、出来事とは一切関係ありません)


 1998年4月16日(木)11時38分37秒となっているわたしの短編2作目です。
 これは、公式ファンクラブ会誌5号「冒険時代」用に書いたものの、公式ファンクラブが休止してしまって、行き場がなくなっていたところにできた小説掲示板に投稿したものです。はせがわみやびさんやふぁずさんが登場してますが、あくまでもこの内容は実際の世界とは関係ないです。
 今思うと、とんでもないことしてたんだなわたし……。
(なお、掲載されたものを読みやすいように訂正してあります)

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